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記事12 腰痛対策は非常に困難?実例から紹介する腰痛対策とグッズについて

安全衛生管理業務を担当の皆様、ご安全に。

さて、第12回目は「腰痛対策と実例紹介」についてです。

 


★本日の要点

  • 「動作の反動・無理な動作」=「腰痛」
  • 死傷災害件数より、腰痛は毎年上位を独占する深刻な労災
  • 腰痛は他の事故と比べて対策が非常に困難。
  • 対策が困難な要因は、①腰痛が自己責任であるという間違った印象 ②認定要件が複雑 ③殆どの腰痛災害において原因不明 ④腰痛発症要因の内、各個人に対策を委ねるカテゴリーが多い。
  • 対策として、アシストスーツと腰椎コルセットを紹介。

 


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★詳細(~以降は興味のある方のみご覧下さい~)

〇おさらい

記事10で、各業種別に最も多い休業災害要因を調査しました。

 

「墜落・転落」 ⇒ 高所作業が多い業種:建設や運輸

「動作の反動・無理な動作」 ⇒ 重量物の取り扱いが多い業種:貨物

「転倒」 ⇒ デスクワークや接客系が中心の業種:商業や接客娯楽・・・記事11

「はさまれ・巻き込まれ」 ⇒ プレス機やロール等を扱う業種:製造業

 

今回は「動作の反動・無理な動作」について紹介します。

 

〇「動作の反動・無理な動作」の概要

 

「動作の反動・無理な動作」の説明は以下の通りですが、「腰痛」と考えて問題ありません。肩や首の症例もあるようですが、多くは腰が起因です。

 

重い物を持ち上げて腰をぎっくりさせたというように身体の動き、不自然な姿勢、動作の反動などが起因して、すじをちがえる、くじく、ぎっくり腰およびこれに類似した状態になる場合をいう。バランスを失って墜落、重い物をもちすぎて転倒等の場合は無理な動作等が関係したものであっても、墜落、転倒に分類する

参考:untitled (mhlw.go.jp)

 

意外ですが、以下の通り、死傷災害件数で見ると、毎年上位を独占するほど深刻な労災で、対策が強く求められています。

 

スライド 1 (mhlw.go.jp)

 

更には、厚労省吉本興業とコラボし、危険性を啓発しています。

 

www.youtube.com

参考:転倒予防・腰痛予防の取組 |厚生労働省

 

スポーツ庁からの動画も掲載します。

 

www.youtube.com

参考:転倒予防・腰痛予防の取組 |厚生労働省

 

腰痛はそれだけ事故数が多く、更に危険性も高い、れっきとした労災です。

 

尚、記事6でも紹介した、全国労働衛生週間ですが、令和4年度も腰痛について啓発されています。下記、参考に展開します。

中災防:全国労働衛生週間 (jisha.or.jp)

 

〇腰痛対策の難しさ

腰痛は他の事故と比べて対策が非常に困難です。要因を以下に記します。

 

①腰痛は自己責任であるという間違った印象

被災者は自己怠慢から生じた災害で自己責任と感じ、管理者も労災申請の必要性を感じないという各自の思い込みが強く、作業者・管理者・監督者、全てにとって非常に印象が良くありません。ここから、なかなか対策が進みません。

 

②認定要件が複雑

下記の通り、認定要件がやや複雑です。

000468676.pdf (mhlw.go.jp)

 

要は、痛みが発生したのが業務中であるのか、が問われます。例として、業務時間中に建屋間を移動した際、重量物を運搬していて腰痛を発症したのか、または、ただ日々の蓄積疲労から発症したのか、ここがポイントとなります。

判定の難しさから、曖昧なままに時間が過ぎ、対策を放置するパターンが想定されます。

 

③殆どの腰痛災害において、原因が特定できていない

腰痛には原因を特定できる「特異性腰痛」と、原因が分からない「非特異性腰痛」の2種類があります。

特異性腰痛とは、医師による画像検査や診断によって原因を特定できる腰痛のことです。

非特異性腰痛とは、腰痛はあるものの下半身のしびれや神経痛などがなく、原因がわからないものを指します。

腰痛の種類とは?特異性腰痛と非特異性腰痛の違いや種類を解説! - ほぐしドットコム (ikebukuro-hogushi.com)

https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000564050.pdf

 

要するに、殆どの腰痛の原因はよく分かっておらず、対策するにもできない、となります。

 

④腰痛発症要因の内、各個人に対策を委ねるカテゴリーがある

以下、発症要因を4つのカテゴリーで示します。

https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000564050.pdf

 

姿勢・動作要因・環境要因は機器導入等、企業努力で対策できますが、心理的・社会的要因、及び、個人的要因は対策が教育等の個人に委ねる方法しかないため、ハード面での対策が困難です。

 

以上①~④が腰痛対策を困難とする理由でした。

 


〇対策事例

上記の通り、対策が困難な腰痛ですが、最も期待されているものの一つが以下です。

結果発表 - あんぜんプロジェクト (mhlw.go.jp)

 

上記が注目されていますが、問題点は値段です。

以下のもう少し安価なものも見つけましたので、良ければどうぞ。

 

アシストスーツ 楽衛門(らくえもん)

<Sサイズ> 腰の負担を軽減する!軽量かつ10秒で脱着!様々な力仕事をサポート

 

 

尚、上記の上位互換版がJRで導入されましたので、紹介します。

www.youtube.com

JR西日本開発「人型重機ロボ」 人に代わり危険作業も楽々と

参考:TBS NEWS DIG Powered by JNN

上記の小型版が出れば、腰痛をもっと軽減できるのかと思いますが、将来に期待したいと思います。

 

最後は腰痛ベルトです。以下の記事にて非常に詳細に内容の紹介があり、おすすめベルトが紹介されています。今回は2つ選定して下記に記載します。

 

www.kusurinomadoguchi.com

 

バンテリンコーワサポーター

腰椎コルセット ふつう/Mサイズ(へそ周り 65~85cm) ブラック

 

中山式ボディフレーム

腰用ハードダブル LL (中山式産業) (コルセット)

 

https://amzn.to/3AHDWBs

 

良ければ着けてみて、感覚を掴んでみて下さい。

 


★管理人からのコメント

対策が難しい腰痛ですが、記事11の通り、危険な作業の廃止・変更 ⇒ 工学的対策⇒管理的対策⇒ 個人用保護具の使用、の順にて対策が可能か検討して下さい。尚、腰痛ベルトは保護具です。検討の上、最終的に導入するのは問題ありませんが、まずはその作業自体が廃止できないかから、記事1記事1youtubeでも紹介しました通り、現場の方と話し合ってみて下さい。お願いします。

 

では、今日も一日、ご安全に。