記事1 「安全」って何?「安全」そのものを説明できますか?
記事改定日:2022/9/25
安全衛生管理業務を担当の皆様、ご安全に。
さて、第1回目は「「安全」そのもの」について紹介します。
- 安全とは、許容不可能なリスクがないこと
- 許容不可能なリスク以外を全て抽出、対策することが重要
- 「許容可能」のライン決めが難しいため、ヒヤリングを行い合意を取ること。
*教育資料も展開します。
尚、本講義はyoutube動画も作成しましたので、展開します。
お知らせ youtube動画 記事1 公開の件 - 安全衛生のタネとネタ (hatenablog.com)
★目次
〇そもそも「安全」とは?
早速で恐縮ですが、本日の議題「安全そのもの」について、意味を説明できますか?意外にも言葉に詰まる方も多いかと思います。
では、まずは辞書的な意味からですが、以下の通り、危険が無く安心なことを指します。
あん‐ぜん【安全】 の解説
[名・形動]《中世は「あんせん」とも》危険がなく安心なこと。傷病などの生命にかかわる心配、物の盗難・破損などの心配のないこと。また、そのさま。「家内の―を祈る」「―な隠れ家」「荷物の―な輸送」⇔危険。*goo辞書参照
と、以上が説明になりますが、安全管理部門から見ると、安全の意味合いは少し異なります。
〇安全管理部門から見た安全とは?
結論から言うと、「安全 = 許容不可能なリスクがないこと」となります。
ISO/IECガイド51 参照
以下、例を挙げると、、
野菜を包丁で切る作業がある仮定すると、
①包丁を、切創防止加工済の包丁(子供用の包丁)にした
許容不可能なリスク(切創)を除去 ⇒ 安全
「事故が発生する要因を完璧に取り払い、どうやっても事故が発生しない状況」は、理想の安全ですが、達成が非常に困難です。
よって、先ほどの野菜を切る作業では、
・手は切らずとも包丁を落として足に落とす危険はないか?
・包丁の取っ手は滑らないか?
・子供用は本当に切れないのか?
等々のリスクを抽出し尽くして対策することが重要で、これこそが安全です。
尚、下記、良い動画があったのでこちらも紹介します。
〇「許容不可能なリスク」の範囲のついての課題
勘の良い方へは既に伝わったかもしれませんが、「許容不可能な」をどこまで許容不可能とするのかが最も難しい部分です。
よって、私からのオススメは、実作業員へのヒヤリング等、自分以外の意見、特に現場への意見聴取を行った後、合意を取ることが重要と考えます。
各種意見を聴講、取捨選択して決定していく、という姿勢を持って頂ければ幸いです。
今後、安全活動を行う上でもし迷ったら、そもそも安全とはなんであるのか、自分自身に質問してみて下さい。そして、許容不可能なリスクを抽出、対策し尽くすことが安全への第一歩であることを再認識し、間違った方向に進んでいないか、確認・修正頂ければと思います。
では、今日も一日、ご安全に。